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豊洲市場見学記

先日、東京は豊洲市場まで見学に行ってきました。

当記事では東京出張記として、新設された豊洲市場を画像付きで紹介いたします。


左画像は豊洲市場の管理施設棟、右画像は水産卸売場棟です。

一般の見学の際には管理施設棟から通路を通って水産卸売場棟に入ります。

水産卸売場棟から道路を挟んだ反対側には水産仲卸売場棟が、管理施設棟を挟んだ反対側には青果棟があります。

このように、豊洲市場では、旧築地市場ではすべてが一体化して混在していた市場機能を施設として分離しています。このため、築地の混沌・喧噪に比べると随分整理されているという印象を受けます。


こちらはマグロを中心に太物を扱う低温卸売場。シャッターで仕切られ、温度管理された売場内に、大卸各社がずらりとマグロを並べます。

画像からもその数の多さが伝わればいいと思いますが、これでも以前に比べると数はかなり減ったのだとか。

冷凍と生鮮の両方が扱われ、種類もバチマグロからキハダマグロ、本マグロなど様々。マグロ以外ではカジキが売られていました。

そしてセリ。1つ1つやっていては到底終わらないので、種類ごとに各大卸が同時に売り始めます。つまり1人で全ての魚を競るのは物理的に無理。

セリが始まるとセリ人の威勢のいい掛け声が場内に響き渡ります。複数なだけに余計にすごい。一方で、仲卸の方は手やりとよばれる動作で買いの意思表示をするため、基本的に声は発しません。

豊洲で競るには手やりを覚えて使いこなさなければならず、セリ人はそれを一瞬で判別しなければならないということですね。大変です。


こちらは1階入り口~水産物卸売場。鮮魚が集められています。

鮮魚については最初から売りが決まっているので、セリはほぼ無いのだとか。

この日はマグロのセリを最後まで見ていたため、時間の関係で人は少なかったですが、荷物はやはり多く、鮮魚を詰めたスチロール箱がそこかしこに並べられていました。

画像はありませんが、階層を上がると活魚売場や塩干物の売場があります。階段とは別にスロープが設けられており、ターレで昇降もできます。また、トラックは各階層にスロープで直接出入りができるようになっています。


水産卸売場棟から何本かある連絡通路を抜けるとそこは仲卸売場棟。

場内は仲卸がひしめき、狭い通路をたくさんの人とターレが行きかっています。この日も仲卸各社は購入した魚の処理に追われていました。

設備は比較にならないほど綺麗になりましたが、この喧騒は築地を思い起こさせるものがあります。


その仲卸棟に隣接する形で設けられているのがこの加工パッケージ棟。

近年では航空便での鮮魚の海外輸出が盛んに行われていますが、こちらはそれを意識したものと思われます。つまり、場内で購入した魚をここで加工して即座に航空便で送る、ということです。

シャッターで仕切られたスペースには各加工屋の加工スペースがあります。


仲卸棟の屋上には緑化広場が。開放的な気分になれます。川を挟んだ向かいにはオリンピックの選手村が建設中。


その他、画像はありませんが、管理施設棟には観光客向けの飲食店街があり、水産物卸売場棟には職員向けの食堂がありました。他にも物販施設や青果棟等々、とにかく広い。

水産物卸売場棟と仲卸売場棟を歩きまわり、くたくたになってしまいました。

豊洲市場紹介は以上になります。

ランニングコストの増大・仲卸の減少・市場取扱量の減少・インフラ整備等々、課題は山積していますが、今後も東京の台所、水産物流通の中心として、発展を期待するものであります。